2019年11月、英語民間試験の導入が延期されることが文部科学省より発表されました。また12月には、国語・数学の記述式問題の導入が見送られることも発表されました。
以下の記事は変更以前の内容になっているため、これまでの参考としてご覧ください。
大学入学共通テストに関する最新の情報につきましては、こちらの記事をお読みください。
大学入学共通テスト(新テスト)の実施が、いよいよ来年度に迫ってきました。
ここでは、現行の大学入試センター試験との変更点や、各教科の出題方法などをまとめます。
小社は、独立行政法人 大学入試センターとは関係ありませんので、必ず正式な公表資料をご参照ください。
センター試験とここが変わる!
現行の大学入試センター試験に代わり、2021年1月から大学入学共通テストが実施されます。
今年の6月には、文部科学省より大学入学共通テスト実施大綱が、大学入試センターより出題教科・科目の出題方法等及び問題作成方針が公表されました。
知識・技能だけではなく、思考力・判断力・表現力も測るため、試験の方式が大きく変わる教科もあります。主な変更点を以下の表にまとめました。
大学入試センター試験 (現行のセンター試験) |
大学入学共通テスト (新テスト) |
|
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出題方式 | マーク式 | マーク式+記述式(国語・数学Ⅰの内容のみ) |
試験時間 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」:60分 「国語」:80分 |
「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」:70分 「国語」:100分 |
配点(英語) | 筆記:200点 リスニング:50点 |
リーディング:100点 リスニング:100点 |
成績提供 | 合計得点・科目別得点 | 合計得点・科目別得点 参考情報として科目ごとの9段階の段階評価と国語における⼤問別得点 |
「国語」と「数学Ⅰ」・「数学Ⅰ・A」では、記述式の小問が3問出題され、それに伴い試験時間も長くなります。また、英語ではリスニングの配点が現行から倍になり、民間の検定試験も活用されます。
⇒2020年度からの導入が延期されることが文部科学省より発表されました。(2019年11月1日)
新テストの導入までの動きは、以下の記事にまとめてありますので、こちらもご参照ください。
各教科について
国語
- 科目:「国語」
- 出題方法:出題範囲は「国語総合」とし、近代以降の文章、古典(古文、漢文)を出題する。
- 解答方法:マーク式+記述式(記述式は近代以降の文章のみ)
- 試験時間(配点):100分(マーク式は200点、記述式は段階表示)
記述式問題は、小問3問で構成される大問1問を出題する。
解答の字数は最も長い問題で80~120字程度とする。
成績については、記述式問題は点数化せず、全体及び⼩問ごとの段階表⽰を行う。
記述式問題の段階表示について、詳細が8月23日に公表されました。以下の記事では*(アスタリスク)や表の見方などについて解説しています。こちらも併せてご覧ください。
地理歴史・公民
- 科目:「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」
「現代社会」「倫理」「政治・経済」「倫理,政治・経済」 - 出題方法:「倫理,政治・経済」は、「倫理」と「政治・経済」を総合した出題範囲とする。
- 選択方法:上記10科目のうちから最大2科目を選択する。同じ名称を含む科目の選択は不可。
- 解答方法:マーク式
- 試験時間(配点):1科目選択|60分(100点)
2科目選択|130分・うち解答時間120分(200点)
数学
- 科目:①「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・A」
②「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」 - 出題方法:①「数学Ⅰ・A」は「数学Ⅰ」と「数学A」を総合した出題範囲とする。
②「数学Ⅱ・B」は「数学Ⅱ」と「数学B」を総合した出題範囲とする。 - 選択方法:①上記2科目のうちから1科目を選択する。
②上記4科目のうちから1科目を選択する。 - 解答方法:①マーク式+記述式(記述式は数学Ⅰの内容にかかわる問題のみ)
②マーク式 - 試験時間(配点):①70分(100点・記述式を含む)
②60分(100点)
施行調査の結果を踏まえ、問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題は出題しないこととし、マーク式問題と混在させた形で数式等を記述する小問3問を作成するとしている。
【参考】令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テストスライド資料 |大学入試センター
理科
- 科目:①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」
②「物理」「化学」「生物」「地学」 - 選択方法:上記8科目のうちからA~Dのいずれかの方法で選択する。
- A ①から2科目
- B ②から1科目
- C ①から2科目及び②から1科目
- D ②から2科目
- 解答方法:マーク式
- 試験時間(配点):①2科目選択|60分(100点)
②1科目選択|60分(100点)
2科目選択|130分・うち解答時間120分(200点)
外国語
- 科目:「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」
- 出題方法:リーディングとリスニングを出題する。
リスニングは1回読みと2回読みのもので構成する。 - 選択方法:上記5科目のうちから1科目を選択する。
- 解答方法:マーク式
- 試験時間(配点):「英語」リーディング|80分(100点)
リスニング|60分・うち解答時間30分(100点)
リスニングに関しては、当面の間1回読みと2回読みの両⽅の問題を含む構成で実施する。
2019年11月1日、英語民間試験の導入が延期されることが文部科学省より発表されました。
英語を「書く」「話す」技能は、民間試験によって評価するとして、大学入学共通テストのリーディングでは、発音・アクセント・語句整序などを単独で出題する問題を廃止するとしていました。
この度の民間試験の導入延期を受け、全体の配点や試験内容に変更はあるのでしょうか。
2019年11月15日、大学入試センターは、2020年度実施の大学入学共通テストの英語について
- 発音、アクセント、語句整序を単独で問う問題は出題しない
- リーディング、リスニングの配点はともに100点
つまり第一回の大学入学共通テストでは、「読む」「聞く」の2技能を測るということになります。
大学入試英語成績提供システムの導入延期に伴う令和3年度大学入学者選抜大学入学共通テストの出題方法等について |大学入試センター
まとめ
大学入学共通テストの問題作成方針には、「⾼等学校教育の成果として⾝に付けた、⼤学教育の基礎⼒となる知識・技能や思考⼒、判断⼒、表現⼒を問う問題作成」を基本的な考え方とする、と記されています。
また、各科目の問題作成方針からは、課題解決や探究の過程が重視されていることも分かります。
日頃の授業から、様々な情報や資料をもとに、判断・考察する力を養っていく必要があるでしょう。
[参考] 大学入学共通テストの詳細につきましては、大学入試センターのHPをご覧ください。