2023年3月4日放送の「NewsBAR橋下 #209」で迷惑動画の償い方&SNS活用法という特集が組まれ、その中で参考教材として、第一学習社の情報モラルの最新版が掲載されました!
弊社の情報モラルの最新版が番組内で掲載されました!
— ed-ict|ICTを活用した教育情報発信メディア (@ed_ict_net) 2023年3月6日
#209 橋下徹×千原せいじ…迷惑動画の償い方&SNS活用法/不倫騒動2度…復帰のあり方 @ABEMA で無料配信中 https://t.co/YoGhBaF6AD
上記リンクはABEMAのものです。2023年10月10日現在は無料で視聴することが出来ます。
番組内ではゲストの千原せいじさんがスマイリーキクチ氏中傷被害事件(1999年頃から本格化)を引き合いにインターネットにおける誹謗中傷の危険性を提示した上で、『デバイスを禁止ではなく、正しく活用を』と仰っていました。
炎上の歴史を教材から見る
情報モラルでの炎上
さて、炎上に話を戻します。
第一学習社では2009年の「情報モラル Ver.3」で『ブログ炎上』から炎上問題の取り扱いを始めました。
3のまんが
情報モラルではこのようにマンガ+解説の形式で、わかりやすく解説しています!
それでは見ていきましょう。
第1期 Ver.3~6(2009~2012年)
2009年の情報モラルVer.3から、巻頭特集の事例として「ブログ炎上」・「学校裏サイト」・「プロフ」が取り上げられました。
2009年当時は、SNSがまだ普及していないので、こういったつぶやきもブログに書き込んでいました。
今であれば「Xで呟こう」とか「インスタに載せよう」とかになるのでしょうか。
ガラケーで書き込みを投稿している場面も、なんだか懐かしく思えますね?
こういった書き込みから生じる炎上は当時から存在していました。
ガラケー時代に学校で起きたネット発の諸問題として、学校裏サイトという存在も忘れてはいけません。
当時の記憶を掘り返すと、裏サイトといってもアンダーグラウンドな雰囲気のものばかりなく、『〇〇高校の掲示板』のような気軽な入り口で書き込めるような物も多かったように思います。
最初は純粋に情報を交換するだけだったのかもしれません。
しかし、匿名で好き放題に書き込めるネット空間で、誹謗・中傷や、そこを端に発するイジメなどが跋扈するのは、残念ながら必然だったのかもしれません。
最近はあまり聞きませんが、おそらくSNSのクローズドなグループなどに形を変えていると考えられます。こういうものの根絶ってのは実に難しい。
ガラケー時代、プロフという人気のサービスが存在していました。
その名前の通り、趣味やブログへのリンク含めて自己紹介するのに便利な反面、個人情報を掲載するサービスデザインが仇となって、うっかり重要な個人情報を掲載してトラブルが起きることがありました。
昨今のSNS公開アカウントにも通じる問題ですね。
第2期 Ver.7~14(2013~2020年)
マンガの絵柄も大きく変わった、第2期の2013年の情報モラルVer.7からは、大きく紙面内容に改訂が加えられて、巻頭の3大特集も刷新されました。取り上げられたのは「LINE」・「Twitter」・「まとめサイト」です。
初出は「テキストチャットアプリ」としてVer.7(2014年)から掲載され、Ver.10(2017年)から「LINE」と改題されています。
今やスマホを持つほとんどの人がインストールしているLINE。行政サービスの認証などにも使われるようになり、企業や自治体の公式アカウントなどもあります。
とても広く認知されたサービスです。
この項で主に提起されたのは、『既読スルー』問題や会話の辞め時といった問題です。
「既読が付いてしまったから先に寝るのが申し訳ない・・・」楽しくはずんだ会話で、翌日寝不足になってしまった、なんて経験をしてしまった人も多いのではないでしょうか?
現在はXと名前を変えていますが、Twitterも第2期から掲載しています。
奇妙な偶然ではあるのですが、第2期が発行された2013年にTwitter(現:X)炎上に関する有名なネットスラングが誕生しました。
そう、バカッターです。
2013年はまさにバカッター元年といっても過言ではない年でした。
この頃で言うとTwitterを含めてSNSというサービス自体は、スマートフォンの普及に伴って、既に多くの人が利用するようになっていました。
Mixi・Facebook・Myspaceといった先行していたSNSは投稿が基本公開とはいえ、アカウント名が実名での登録が潮流でした。
対してTwitterは匿名アカウントでの運用が多い印象です。
バレないだろうという匿名性が拍車をかけてしまったのか、なぜこの年度辺りを境にリテラシーに欠ける投稿が増えたのか(認知・拡散されるようになってしまったのか)はわかりません。
ただ、とにかくバズれば・非倫理的でも変なことをすれば、ワンチャン有名人になれるかも、手軽に承認欲求が満たせるという感情もあったのかもしれません。
その瞬間は良くても、将来に渡って取り返しのつかない事態になるというのは言うまでもありません。
最近も有りましたね?
「すしテロ」動画、日本社会に波紋 国際ニュース:AFPBB News
SNSの炎上の相互補完する形で、情報モラルに掲載されたのが、このまとめサイト。
元来は2chなどの書き込みを転載してまとめるサイトを指していましたが、昨今ではSNSの投稿などもまとめられているようになっています。
情報がまとまって見れる事自体は便利な※サイトですが、これがSNSの炎上と組み合わされると永遠に消えない経歴=デジタルタトゥの形成に強力に作用します。
※もちろんまとめられた意図や背景・行間の情報を読み取るリテラシーは別途必要となってくる。
情報モラル紙面のマンガでも、一時の過ちが、誤解があるかもしれなくても、進学しても消えないで、周囲から言われ続けるというオチになっています。
コラム「名寄せ」
元は銀行で使われる用語ですが、情報モラルでは「悪意をもった人がSNSなどの検索機能を巧みに利用して個人を特定する」という行為を指します。
サービスを匿名で利用していても、この「名寄せ」などで身バレするケースがあとをたちません。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
第一学習社で情報モラルの初版(2007年)が発行されてから、今年で16年が経とうとしています。
2009年のVol.3での巻頭特集から「炎上」という点に絞って歴史を辿ってみましたが、デバイスがガラケーであったり、SNSがそもそも普及してなかったりと、今と全く違う時代だということが、改めて知ることが出来ます。
懐かしいような、そうでないような(筆者は30代前半)。
今回は炎上の歴史、ということで情報モラルの第1期・第2期の書籍を覗いてみました。
次回は、現行最新版の『ケーススタディ情報モラルAdvance』について中身がどうなっているか、様々な観点から比較してみようと思います。