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【過去資料アーカイブ】大学入学共通テスト(新テスト)~大学入試英語成績提供システムって?~

追記(2020年1月)

2019年11月、英語民間試験の導入が延期されることが文部科学省より発表されました。また12月には、国語・数学の記述式問題の導入が見送られることも発表されました。

以下の記事は変更以前の内容になっているため、これまでの参考としてご覧ください。

大学入学共通テストに関する最新の情報につきましては、こちらの記事をお読みください。

www.ed-ict.net

2020年度から始まる大学入試共通テスト(新テスト)の「大学入試英語成績提供システム」についてまとめました。

令和6年(2024)度まで延期されることが令和元(2019)年11月1日に文部科学省から発表されました。下記で公表されている内容は変更になる可能性があります。

小社は,独立行政法人 大学入試センターとは関係ありませんので,必ず正式な公表資料をご参照ください。こちらの記事は参考としてご覧ください。

大学入試英語成績提供システムとは

大学入試センターによる大学入試英語成績提供システム過去の公表資料にある

「平成31年1月7日公表「大学入試英語成績提供システム」の概要について」

を開いて選択できるPDFファイル文書

「大学入試英語成績提供システム」の概要

に記載されている”1 基本的事項(1)"を引用します。

(1)成績提供システムの役割(参考資料1参照)
平成29年7月に文部科学省が策定・公表した「大学入学共通テスト実施方針」(以下「実施方針」)では、英語の4技能評価について、「高等学校学習指導要領における英語教育の抜本改革を踏まえ、大学入学者選抜においても、『読む』『聞く』『話す』『書く』の4技能を適切に評価するため、共通テストの枠組みにおいて、現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する」とされています。これを具体化するための仕組みとして、大学入学者選抜における資格・検定試験の活用を支援するため、大学入試センター(以下「センター」)に新たに「大学入試英語成績提供システム」(以下「成績提供システム」)を設けることとなりました。

 この成績提供システムは、これに参加する資格・検定試験について、成績情報(電子データ)をセンターで一元的に集約し、要請のあった大学に対し提供するものです。

つまり,大学入学共通テスト(新テスト)以外の,民間事業者等による試験結果も,希望する大学の方針によって利用されるということです。

では,どのような流れか,確認しておきます。

  • ①受験生は必要書類を提出し,大学入試センターに共通IDを発行してもらう。※1
  • ②民間事業者の資格・検定試験に共通IDを使用して申し込む。※2
  • ③民間事業者が,受験生と大学入試センターの両方に成績を送付する。
  • ④大学は,受験生の共通IDを使って,大学入試センターから成績の提供を受ける。

※1 高校等の在学者は,今までのセンター試験同様に学校が取りまとめて申込みします。「共通ID通知はがき」が申込者に高等学校を通じて,配布されます。

(参考:大学入試英語成績提供システム過去の公表資料より,「平成31年4月24日公表 共通ID発行取りまとめ業務等について」)

※2 対象となる民間事業者については,参加要件を満たしていることが確認されている必要があります。

(参考:大学入試英語成績提供システム基本情報より「参加要件を満たしていることが確認された試験について」)

 

共通IDの発行

2021(令和3)年度大学入学者選抜者を対象に「共通ID」の発行が2019(令和元)年11月よりはじまります。申込案内が公表されておりますので,ご参照ください。

PDFがダウンロードできるほか,紙の冊子を請求することが可能です。

(参考:大学入試英語成績提供システム 令和3年度大学入学者選抜より,「共通ID発行申込案内」)

 

資格・検定試験は何回受けられるのか

初年度の共通IDは,入試の1年度前の11月頃から受付が始まります。共通IDを使って,入試年度の4月~12月の資格・検定試験に使用します。

また,共通IDは有効期間が2年間あるため,浪人した場合であっても,同じ共通IDがもう1年間は使えることになります。

共通IDを使用した受検は年度内に2回まで可能とあります。

では,その2回は,どうやって決めるのでしょうか。

「大学入試英語成績提供システム」の概要に記載されている”3 受検生による共通IDの利用(1)"に

共通IDの発行を受けた受検生は、センターから大学への成績送付の対象とする2回までの資格・検定試験を選び、当該資格・検定試験に受検を申し込む際に、所定の欄に共通IDを記入し、その意思表示を行います。これにより、当該資格・検定試験の成績情報が、試験実施主体からセンターに送付されることになります。この2回の資格・検定試験は、2回とも同種の試験を受検することも、1回ずつ異なる種類の試験を受検することも可能です。
 なお、4月から12月までに受検した複数の資格・検定試験の中から、受検生が事後に大学への成績送付の対象とする資格・検定試験を選ぶことはできません。また、共通IDを記入して資格・検定試験を受検した後で大学への成績送付を取り消すことはできません。

と,あります。

また,同資料の,”大学入試センターにおける成績情報集約の基本ルール(案)”によると,共通IDを使用して,3回以上受検した場合は,試験実施日が早い順に2件までの成績が提供の対象とあります。

  • 受験年度内の4月から12月までの間に2回受検することができる。
  • 資格・検定試験の申込時に共通IDを記入することで意思表示する。
  • 受験生による成績の選択はできず,試験実施日が早い方から順に2件までの成績が提供の対象となる。
  • 1回目と2回目の資格・検定試験は同じでも,異なってもよい。

 

資格・検定試験はいつ受けるのがよいか

4月から12月の間に,受検することが可能ですが,大学によっては,9月に総合選抜型(AO入試など)の入学者選抜試験が設定されているところがあります。

受検後に,大学入試センター試験が成績を大学に提供できるようになるまで,一定の期間が必要になるため,大学への成績提供時に間に合うように受検する必要があります。

大学側に成績を提供する時期は,予定では9月(総合型)と11月(学校推薦型)と2月(一般入試)の3回に分けられています。

つまり,受検期間も,3回に分けて考えることになります。

  • 4月~7月に受検した場合,9月の総合選抜型に利用できる。
  • 8月~9月に受検した場合,11月の学校推薦型に利用できる。
  • 10月~12月に受検した場合は,翌年2月の一般入試に利用できる。

ただし,この期間はあくまで目安です。実施主体における成績提供の仕組みがそれぞれ異なるため,反映に時間がかかる場合もあるので,受検した成績が利用できるかどうかについては,「英語成績データ確認システム(仮称)」にて受験生が確認できるようになるようです。

(参考:大学入試英語成績提供システム過去の公表資料より,「令和元年5月30日公表 「大学入試英語成績提供システム」の利用について」)

 

何の資格・検定試験を受ければよいか

大学によって,どの試験を活用するかは異なります。

現時点の各大学の活用状況を一覧で確認するには,英語4技能試験情報サイトを利用します。

「大学入学者選抜および授業等活用事例」より「入学者選抜試験における活用」を参照すると,各大学の活用する試験が一覧で確認できます。

正確には,志望する大学のウェブサイトや入試要項で確認しましょう。

 

利用予定の大学(2019/12/11更新)

文部科学省より,2021年度入学者選抜(一般選抜)における英語資格・検定試験の利用予定の大学が公開されていますので,こちらもご参照ください。

文部科学省:大学入試英語ポータルサイト

国立大学協会:2020年度入試における英語民間試験への対応について(続報)