「ICT活用教育をしたい!」と思っても,自分の教科でどう活かせるかわからない…。
そんなときに参考となる,各教科でのICT活用の一例を紹介いたします。
[保体]カメラを使って動きを見てみよう
科目 | 「保健体育」 |
機器 | カメラ付きタブレット |
ソフトウェア | 一時停止やスローモーション再生ができるカメラアプリ |
(1) 動画を撮影して見えないものが見える
スマートフォンやタブレットなどのカメラを利用して,動きを撮影することで,他の視点から自分の動きを見ることができます。例えば,ハードル走のフォームの確認や,ダンスのフォーメーションの確認などは一時停止やスローモーション再生ができれば,より詳しくみることができます。
(2) 他者と比較して,自分を知る 記録を残す
上手な人と比較してみることで,どこが違うのかを実際に自分で見ることができます。運動課題を達成したり,技能を伸ばすことを目的とした場合に使えます。さらに,記録を残すことで,過去との自分と比較できます。
[家庭科]栄養計算をして食生活を改善しよう
科目 | 「家庭基礎」「家庭総合」 |
機器 | パソコン |
ソフトウェア |
「生活ハンドブックWEB」(第一学習社『生活ハンドブック』採用校へのサービス) |
(1) 食品ごとの重量を入力して,各栄養素の摂取量を知る
煩雑な計算をおこなわなくても,入力さえすれば,可食部の重量・栄養成分の分量が自動的に計算されます。「生活ハンドブックWEB」では,食品別の重量を変更したいときは修正入力するだけで,必要な結果を得ることができます。
(2) 食事摂取基準と比較して,各栄養素の過不足(栄養バランス)を知る
栄養計算した内容を食事摂取基準に照らし合わせて,数値やグラフなどさまざまな形で比較することができます。「生活ハンドブックWEB」では,献立を変更したり複数の献立を用意したりして,それらをグラフ表示し,並べて比較することができます。また,比較結果の数値やグラフをまとめて印刷することもできます。
[地歴]地域の実像を視覚的に整理しよう
科目 | 「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」 |
機器 | パソコン,プロジェクタ,(電子ボード) |
ソフトウェア | 地図データ(第一学習社「デジタル地図」やマップデータなど) |
(1) マップ情報を使って位置を確認する
「Googleマップ」(http://maps.google.co.jp/maps)など,インターネットで公開されている地図データを使用することもできます。航空写真のデータを使って,地形を確認することも可能です。
(2) デジタル地図教材を掛地図代わりに利用する
白地図に歴史や地理に関する情報を加えた第一学習社の「デジタル地図」では,地図の拡大・縮小や凡例ごとの表示などができるため,地図のなかで必要に応じた内容の提示ができます。クリックでそれらの切り替えをしたり,その内容を保存したりできるので,授業をスムーズに進めることができます。
[理科]実験内容や理論の理解を深めよう
科目 | 「化学基礎」「化学」「生物基礎」「生物」「科学と人間生活」 |
機器 | プロジェクタ,スクリーン,パソコン,(スピーカー) |
ソフトウェア | 第一学習社「教科書関連データDVD-ROM」 |
(1) 動画を使って実験内容の確認をする
時間のかかる実験や危険な実験など,授業では扱いにくい実験も,動画を使って確認することができます。実験中に繰り返し表示して,手順を確認することも可能です。
(2) アニメーションを使って視覚的に提示する
静止した図・イラストだけでは理解しにくい現象や,板書にすると煩雑になりがちな事項・理論も,アニメーションで示すことにより視覚的に確認でき,理解を深めることができます。
[英語]プロジェクタ投映で発音練習と板書をしよう
科目 | 「コミュニケーション英語Ⅰ」 |
教科書 | 第一学習社『Vivid English Communication Ⅰ NEW EDITION』 |
機器 | プロジェクタ,スクリーン,パソコン,(スピーカー) |
ソフトウェア | 第一学習社「指導者用デジタル教科書」,第一学習社「教科書関連データDVD-ROM」,Microsoft PowerPoint |
(1) プロジェクタで投映し,発音練習
全員が前を向いて発音練習をすることができます。 「指導者用デジタル教科書」の「TextReading」では,クリックした文からの連続再生や一文のみの再生,ペンツールを使って画面上に線を描くこともできます。
(2) PowerPointでオリジナル板書をつくる
作成した内容を保存して,別の授業や複数の先生で活用することができます。 「教科書関連データDVD-ROM」の「パワーポイント素材集」では,文法事項や問題をスライドショーとして表示できます。また,PowerPointを使って事前に編集しておけば,オリジナルの板書を用意することもできます。
[数学]2次関数の式の意味を理解しよう
科目 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」 |
機器 | プロジェクタ,スクリーン,パソコン |
ソフトウェア | 表計算ソフトウェア(Microsoft Excelなど) |
(1) 係数を入力して,グラフをつくる
2次関数y=ax2+bx+cの係数a,b,cを入力すればyの値が自動的に計算されるような表を作成し,この表からグラフを作成します。 表計算ソフトウェアを使うと,1つ1つの計算をする必要がなく,効率的にグラフを確認することができ,式とグラフの関係がわかりやすくなります。
(2) マクロを使って,動的な教材をつくる
マクロ(一連の操作手順をひとまとめにして登録しておき,必要なときによび出して実行する機能)を使うと,グラフの平行移動など,動的にあらわした教材をつくることができます。生徒に視覚的に理解させることが可能です。
[国語]文章の論理構成を考えよう
科目 | :「国語総合」「国語表現」 |
機器 | :プロジェクタ,スクリーン,パソコン |
ソフトウェア | :ワードプロセッサ(Microsoft Wordなど) |
(1) アウトライン機能を使って,文章の構成を組み立てる
テーマを決め,ワードプロセッサのアウトライン機能を使って項目を入力します。項目の階層を設定できるのでまとめた後確認しやすく,さまざまな構成を試すことができます。
(2) 作成したアウトラインを,生徒どうしで批評する
作成したアウトラインをプロジェクタで表示することで,全員が同じ内容を見ることができます。それに対して生徒は意見を交わすと同時に,自分の構成と比較したり,ほかの人の構成のよいところを取り入れたりしやすくなります。